ブログの記事について、、、
こういうことを書くのは今の時期ふさわしくないのではないか・・・ とか
こういうことをあえて書くべきではないか・・・ とか
いろいろ考えだすと、ブログを書く気が失せて、精神的にすごぉ~くしんどくなってくるので、
そういうのを一切考えず、以前のように興味あることを好きなように書いていこうと思います。
ブログタイトルも「心おもむくままに」ですから。
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では、新梅田シティのヒミツについての続きです。
※引用文は、『空中庭園 連結超高層建築〈1993〉「新梅田シティ」の記録』より。
このことについて振りかえってから。
大淀の原風景やその記憶が、新梅田シティに蘇る。しかし、こういった「いにしえの断片」が現代都市に蘇るには、その土地のもっていた気あるいは力が宿っていなければならない。この気あるいは力を、ここでは「地霊」と呼ぶ。地霊とは、土地や場から引き出される霊感とでもいえるものである。この概念は、18世紀イギリスで注目された「ゲニウス―ロキ」すなわち父性を表す守護の霊(ゲニウス)のある場所(ロキ)と同じものである。
ランドアートの設置は、この地霊、ゲニウスーロキを新梅田シティに植えつけるに必要不可欠のモニュメントとして計画された。ランドアートの設置された場所は、特に大淀の原自然とかかわりのある場所、空間が選ばれた。『中自然』の森、『カナル』、そして『花野』の3ヶ所である。
ヒミツ5では、『中自然』にあるランドアートを紹介しました。
今回は、『花野』です。

「花野」は「花が咲き乱れる野原」である。「花野」という名前の由来は、詩人・谷川俊太郎の詩「はなののののはなはなのななあに」からきている。この語呂合わせ、言葉遊びの詩を口ずさむと、原っぱで遊んだなつかしい子供の頃の風景がよみがえる。
この梅田スカイビルは現在、2棟連結になっていますが、
設計した原広司氏は、将来おそらく三棟連結になっていくであろうと増築の余地を残されています。
それが、この「花野」の土地です。(詳しくは
こちら)
しかし、バブルの頃から時代は変わり、実現することはもうないかもしれませんね。
そういう計画もあったので、まさしく野の花が咲き乱れる「原っぱ」がふさわしいとなったようです。
ここにも、造園家の吉村元男氏のさまざまな想いが込められています。
この空地には、美しく整えられ、刈り込まれた灌木や、すみずみまで計算されデザインされた造園修景の園地はいらない。自然にできるだけ近い、雑草や路地咲きの草花に季節ごとに出会える原っぱ。 ・・・ 雑草は、美しくない、華麗ではない、田舎臭いといって、嫌われる。雑草に与えられる不名誉な呼称をここではなんとかイメージチェンジしたい。人々に愛され注目される草花にして、都心に居住し、働く人々に、今までと違った自然の楽しみを知ってほしい。こういった願いをこめて、「ワイルドフラワーによる花野」を実現させた。

こういう想いでつくられた「花野」に設置されたランドアートについて。
生あるものはすべて死に絶え、物質的残骸は土となり、リサイクルしてまた新たな生命を生みだす。大地には、無数の生物がうごめいていればこそ、いつも緑の衣で覆われているので、私たちもやがては土に還るのである。こんなリサイクルを野仏彫刻と風化彫刻で表現した。
野仏彫刻は、伊藤慶二とフェデリコ・ボナルディ。風化彫刻は、西村知子。
土を素材とする陶芸家3人にアイテムのデザインが依頼され、
石彫家・内藤文男がすべてを製作されました。
■ 伊藤慶二の野仏 「沈黙」 観念的で静的な12の作品。
「花野」の入り口に設置されていて、道しるべを示している。

■ イタリアの陶芸家 フェデリコ・ボナルディ(Federico Bonaldi)の野仏。 「aldilà」(すべてを超えて)
野仏につけた格言は、「THEOLDMANTHINKSOFETER-NITY」
※民衆文化や土俗的伝承をテーマとしたそれを見事な土の造形に発展させ、幻想的・夢幻劇的世界を創出することに鋭い感性を発揮する陶芸家。
これが一番紹介したかったのです!!!
最初見た時、なにこれ~(^O^) と笑っちゃいました。独特でユーモアがあります。
何の説明もないので、作者も何もわからなかったのですが、まさかイタリア人彫刻家とは~!
びっくりしました。
ドクロを持ったこの野仏の後ろ姿は、

なぜか離れたところにあります。?

福耳の鳥?

魚にくわえられているの・・・か?

し~っ って?

キタキタおやじの上に座って桃太郎、何してんの?

わ・・・ わからん・・・

死神~

このイタリア人彫刻家は、日本の何に影響を受けているのでしょうね?
面白い作品だと思います。
■ 西村知子の風化彫刻 「Déjà vu」
原始的シンボルである鳥、水牛、猿、蛇、貝等を題材に選び、
具象的な形を表すのでなく、風化した形で制作。
仏手柑

ざくろと猿

オウム貝と鳥、なまず、水牛、蛇もあります。
気になるのが、柘榴(ざくろ)と猿の組み合わせです。
ネットで調べると・・・
柘榴は大勢の子供を産むことを象徴し、
一個の柘榴を描いた絵は、百人の子孫を残すことを意味する。
猿は長命を象徴し、また変化力を表す。
・・・となっていました。
この組み合わせは初めて知りました。
翡翠彫刻、着物の帯柄、だんじり彫刻にもありました。中国の話から?
もうちょっと詳しく知りたかったのですが、分かりませんでした。残念。
「またいつか」の引き出しに入れておきます。
元の話しに戻って、、、
地霊を新梅田シティに植えつけるのに必要不可欠なモニュメントとして設置されたランドアート。
「花野」までゆっくり歩いてまわる観光客は少ないです。
フェデリコ・ボナルディは、イタリアを代表する現代陶芸家の一人とされていて、
せめてその作品の紹介がどこかにあれば、ファンの方も訪れると思うのですが。
作家や、作品名を出さずに「原っぱ」の中の名もなき彫刻にしておくには、
もったいない気がします。
季節が変われば、もっといろいろ表情が変わると思います。
梅田スカイビルに行かれた時には、「花野」に寄り道してみるのも面白いですよ。
その時には、「はなののののはなはなのななあに」の詩を口ずさむのもお忘れなく。
「花野の 野の花 花の名 なあに」