2011/03/06

新梅田シティ 梅田スカイビル 空中庭園のヒミツ3

私が今、興味を持っている梅田スカイビルが完成したのは1993年3月。
この頃、私は大阪ではなく、北摂に住んでいました。
「自然がいっぱいの中で息子達を育てたい!」と思って引っ越したくらいなので、
あまり大阪の都会のことに興味がありませんでした^^;

ずっと大阪に住んでいる人にとっては、何を今さら梅田スカイビル┐( ̄ヘ ̄)┌
てな感じかも知れないですが、完成当時の賑わいも、報道も何一つ知らない私にとっては、
新鮮なんです :*:・( ̄∀ ̄)・:*:

それにこの頃は、まだWindowsも、インターネットもない時だから、
詳しいことがほとんどネットの中にありません。

バブルの建築遺産とも言われているようですが、
であるならば、なおさら発掘の楽しみがあるというもの!!!

どこまで凝ってるの!というコンセプトももうたまらないです(〃∇〃)


新梅田シティの設計は、 建築家の原広司氏と、造園家の吉村元男氏。

昨日は、造園担当の吉村元男氏の本を読みました。
「森が都市を変える―野生のランドスケープデザイン


・大阪万博跡地に誕生させた生物の楽園。
・砂利採集に晒された生駒山を再生する自然公園。
・大阪都心・新梅田シティに繁茂する野生の森。
これらの森と都市との共生を試みたランドスケープ作品が紹介されています。


森の話しに行く前に、梅田スカイビルの配置について。←これがヒミツ3
凱旋門のような形の梅田スカイビルが、大阪の玄関、JR大阪駅にどうして向かっていないのか?
初めて見た時から、ずっと疑問を抱いていました。


下の写真は、上の地図のの位置から撮っています。


最初、原氏の案では、将来の都市開発が予想されるJR操車場(北ヤード)にある東北の方向に向いていたようです。(JRとの一体的な開発を重視する案)

このことに、吉村氏は、次のことを考え修正を提案したそうです。
 都心に新たに出現する連結超高層建築群が、大阪の広範な地位から見えるランドマークとしてどちらの方向を向いているのか。このことは、水平に広がる都市化の慣性に対して何を訴えるかということと関連している。

 隣地に眠る開発予定地25haとの関連性は重要である。しかし、大阪の都市の文脈から見る時、この方向に建築が配置されれば、開発されない空虚に向かって長年立ち続けることになると同時に、遠くから見た超高層建築は、南北からなる大阪の通りや筋とはまったく異なる方向に向くことになる。完成した空中庭園見た大阪の街も、ゆがんだ方向に見えるだろう。新梅田シティは大阪という街の歴史から孤立してしまう可能性がある。

 もともと大阪の街は、大阪城を中心につくられ、町衆の居住地域であった現在の市街地では、城おと大阪湾を結ぶ幾筋かの東西の運河群が堀を構成し、これと直行して筋という道路がつくられた。すなわち、船の都市内での運行を背景にした堀と筋が直行グリッドをなす都市として発展してきた。

 新しい空中都市の建設は、大阪の伝統の継承であって欲しい。空中都市が、一本柱の袋小路型の超高層群ではなく、21世紀に向けた新しい可能性を、この敷地から発信するのであれば、現在の混乱している市街化の傾向を改め、本来の大阪の都市の再生を目指す必要があると主張したのである。そして、大阪に唯一のこされた広大な再開発予備地である隣のJR操車状の再開発に影響を与えるべきと付け加えた。


素晴らしい!
そういうことを考えての向きだったのですね(゚ーÅ)

ということで、Google Mapに線を引っ張ってみました。


御堂筋の南北の軸と同じですね(・∀・)

東の窓からの景色。眼下には北ヤードでの開発工事が行われています。


でも、今開発されている北ヤードの軸は、同じ向きじゃないような気がするのです。。。
大阪駅北地区先行開発区域プロジェクト

吉村氏が考えてられた、北ヤードへの影響はなかったということになるのでしょうか。。。
北ヤードの建物の軸は、ただ建設地の形に添っただけ?
大阪の伝統を継承とかいうことは、考慮されなかったの?

この辺がちょっとう~ん(-"-; な感じがします。

北ヤードが森になるのも、吉村氏が関係されたらいいのにと思ったのですが、
そうでもないような・・・
『新たな提案「UMEDA GREEN」は、北ヤード開発の総合アドバイザーも務める宮原秀夫・前阪大総長のほか、堀井良殷(よしたね)・大阪21世紀協会理事長、企画プロデュース会社「スーパーステーション」の野村卓也社長らがまとめた。』 (2011年1月13日 朝日新聞)

新梅田シティの隣の森は、どのようになるのでしょうね。




今、万博公園では
EXPO’70パビリオン開館1周年記念 岡本太郎生誕100年記念『太陽の塔黄金の顔展』
が開催されているようです。
これも魅力的ですが、吉村氏の本を読んで万博公園の森をゆっくり歩きたくなりました。


次回は、新梅田シティは、風水都市?! です。


【追記】梅田スカイビル、空中庭園に興味のある方はシリーズで書いていますので、カテゴリー「60:新梅田シティ」でご覧ください(^-^)/